不倫(不貞行為) ー 細川行政書士事務所

 不倫(不貞行為)とは、大まかに言うと、配偶者のいる異性と肉体関係をもつことです。不倫相手との関係が自然の愛情に基づくものであるか否かは問題になりません。

 

 相手が既婚者であることは知っていたが、自然な恋愛感情による関係であり不倫とは異なると主張される方がおられますが、根底に自然な恋愛感情があろうとなかろうと、配偶者のある異性と肉体関係を持ったのであれば不倫(不貞行為)が成立します。

 

 最高裁判例(昭和54年3月30日)においても、この点に関して、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係をもった第三者は、両者の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の権利を侵害し、その行為は違法性をおび、右他方の配偶者の被った精神的苦痛を慰謝すべき義務がある」としております。

 

 但し、いくつかの例外もございますので、以下を参考にしていただければと思います。

 

不倫の成立要件は以下の通りとなります。  

 

(1)不倫相手と肉体関係があったこと

 

 法律上の不倫(不貞行為)とは、既婚者が、配偶者以外の異性と、自由意思で、肉体関係を持つこととされています(民法770条)。ここに配偶者とは、法律上の夫婦に限らず、内縁関係や婚約関係にある男女も含まれます。  

 

 要件として、相手と肉体関係を持つことが必ず必要となります。すなわち、メールをしていた、二人で食事に行った、さらには、手をつないだ、腕を組んで歩いた、などの行為があった場合でも、肉体関係がない限り、原則として法律上の不倫(不貞行為)にはなりません。また、肉体関係は自由意思で持つことは要件とされています。なので、強姦された場合のように、強制的に肉体関係を持たされた場合は、自由意思に基づくものではありませんので、不倫(不貞行為)が成立したとは言えません。

  

(2)不倫・浮気の相手が既婚者であると知っていたこと  

 

 次に、不倫相手に配偶者がいることを知っていることが必要となります。すなわち、付き合っている相手が既婚者であると知らなかった場合には、そもそも不倫行為の認識がありませんので、そのような相手にお金を払わせるのは合理的ではないからです。従って、その相手が配偶者がいることを知らなかった場合には、不倫行為を理由として慰謝料請求はできません。 

 

 但し、不倫相手が既婚者であると知らなかったとしても、注意すれば既婚者であると判断できた様な場合は、相手が既婚者であることを知らなかったことに「過失」があったとして責任を問うことができます。 例えば、不倫相手が「自分は独身だ」といっても、周囲の人達がみな、「彼は結婚しているよ」と言っていたような場合には、相手の言う事のみを簡単に信じてしまったことになり、「過失」があると言えます。 また、結婚式に出席していた場合は、当然ながら、相手が既婚者であることを知っていたことになりますので不倫行為は成立します。

 

(3)不倫をしていた時点で実体としての夫婦関係があったこと

 

 不倫をしていた時点で、不倫相手の夫婦関係がすでに破綻してしまっていたような場合は、夫婦関係の破綻について相手に責任を問うことはできません。すなわち不倫行為によってはじめて夫婦関係が破綻されたという状況が必要となります。 ここに夫婦関係の破綻とは、別居しており、お互い連絡もろくにとらないでいる場合や、同居はしているものの、ろくに会話もなく、単なる同居人となってしまっているような場合をいいます。但し、この点を裁判において証明することは難しいようです。夫婦間で離婚についての話し合いが持たれ、現実に別居中であった等の客観的事実が必要であると思われます。 

 

(4)不法行為としての時効が成立していないこと

 

  不倫行為は法律上、不法行為(民法第709条)にあたります。したがって、不倫行為も不法行為としての時効にかかっていないことが必要とされます。不法行為の時効期間は、事実を知ったときから3年、行為のあったときから20年以内となります。 但し、たとえ時効期間が経過しても、相手が時効を放棄して素直に事実を認めたような場合は、慰謝料を請求して相手から受け取ることができます。