不倫の慰謝料請求をする - 細川行政書士事務所

弊事務所では、不倫行為(不貞行為)問題の解決のお手伝いとして、内容証明の作成、示談書(和解契約書)の作成を行っております。 以下に配偶者の不倫相手に対しての対応を記載させていただきますので、参考にしていただければと思います


1、相手と話し合いをする
 
まず、配偶者の不倫相手と、電話やメールで交渉ができるような状態であるならば、相手と話し合いをしていただきます。もし相手が話し合いのなかで、素直に不倫の事実を認めるのであれば、示談書を作成するのがよろしいと思います。


可能であれば、相手に内容証明郵便を送って事を荒立てることなく、「慰謝料払って!」「分かりました、払います」と言ってもらうのが一番簡単ですし、一番早く解決します。それで「示談書」を作成すれば、嫌な思いも短い期間で済みます。


なお、話し合いで決まった内容は、示談書、和解契約書、合意書、名称はなんでも構いませんが、必ず、書面に残すのがよろしいと思います。さらに、慰謝料の支払い方法として分割払いにするのであれば、示談書を公正証書にするのがよろしいかと思います。公正証書にすれば、相手が支払いを滞った場合に、相手の給料などを差し押さえることができるからです。また、公正証書は公証人が間には入りますので、証拠としても重くなり、相手もより真摯な気持ちになると思います。いずれにせよ、書面に残しておくことが重要だと思います。


弊事務所が頂いたご相談で、このような事例がございました。その方は、心ならずも上司の方と不倫(不貞)行為をしてしまったとのことでした。そのことが相手の奥様にわかってしまい、奥様と話し合い、不倫を認めました。そして、相手ご夫婦が離婚するとのことで、奥様に、引越し費用として50万円を支払ったとのことです。しかし、それだけでは事は終わらず、さらに100万円を請求され、100万円を支払いました。その後も、また請求がありましたので、そんなに何度も支払わなければならないのかと不安になり弊事務所に相談に来られました。 


このような場合、最初の引っ越し費用の支払いの際に、示談書を交わし、不倫の事実関係、それに対する慰謝料額、慰謝料を支払ってしまえば今後は一切の金銭を含む請求はできないこと(清算条項)を明記しておいたのであれば、二回目の100万円の請求を受けた際には、既に問題は解決済みであると反論できたわけです。結果として、弊事務所でお手伝いをさせていただき、穏便に事態を収めることができました。  


そのようなわけで、不倫問題の解決の際には、示談書を作ってお互いに取り交わされることをお勧めいたします。尚、示談書で慰謝料を支払うと取り決めた場合、支払い方法として口座への振込払いにされるのであれば、銀行での振込書の控えや振り込みが記載されている預金通帳、銀行の発行する取引履歴が証拠になります。しかし、現金で支払った場合、すなわち、示談書に「持参して手渡しで支払った」と記載した場合、慰謝料を支払った方は、相手から、領収書を受け取られるのがよろしいと思います。もし裁判になった場合、示談書以外に領収書が証拠として要求されることになるからです。


2、相手に内容証明を送る


次に、相手とどうしても話をしたくないような場合は、内容証明郵便を送って慰謝料を請求するのがよろしいと思います。内容証明郵便を送れば、何らかの反応を得られる場合が多いです。「慰謝料を払うけど、その額は無理」とか、「一切、慰謝料は払わない」などです。そこで示談交渉が始まるわけです。示談交渉は、弁護士に依頼すれば全て行ってくれますが、報酬額が比較的高額となります。ご自身でも行えますので、内容証明郵便作成を依頼した行政書士等に助力してもらいながら行うのがよろしいかと思います。弊事務所もお手伝いをさせて頂いております。


また、相手が話し合いをしても不倫を認めないような場合にも、内容証明郵便を送るのがよろしいかと思います。内容証明郵便で、これまでの経緯や、慰謝料額、いかに自分が精神的苦痛を受けたかを相手に伝えます。相手の考えも変わるかもしれません。


首尾よく相手と話がまとまった場合は、前記1と同様に、示談書を作成するのがよろしいと思います。  


 3、法的手段に訴える


次に、示談交渉が決裂した場合、すなわち、相手に内容証明を送っても無視された場合や、相手から不倫行為を認めない内容の内容証明が送られてきた場合は、法的手段に訴えることになります。


 (1) 調停を申し立てる


簡易裁判所に民事調停を申し立てることも出来ます。これは、当事者同士の話し合いを裁判所で、調停委員に間にはいってもらい行うことです。示談交渉が決裂したぐらいですから、「調停を申し立てよう」という気持ちにはならないかもしれませんが、費用も高額でなく、手続もそれほど難しくありませんので、ご自分で行うこともできます。相手が調停に応じないと分かっていても、行ってみることも良いかもしれません。弊事務所の経験した事例でも、事態を軽く見ていた相手の方が、調停を申し立てられ、あわてて話し合いに応じたこともありました。
                                           
 (2) 訴訟を起こす


どうしても相手が話し合いに応じない場合、しかし、証拠もあり法的手段を取ってでも解決を図りたい場合は訴訟を起こすことになります。慰謝料請求額が140万円以下ならば簡易裁判所、それを超えると地方裁判所が管轄になります。訴訟というと弁護士が行い費用も高くつくとのイメージがありますが、簡易裁判所の訴訟であれば、勉強して自力で行っている方もおります。但し、法律知識が必要ですので、できることならば弁護士に依頼したほうがよろしいかと思います。弊事務所も弁護士を紹介させていただいております。また、法テラスに相談されるのもよろしいかと思います。


4、私見


 訴訟にしろ、調停にしろ、時間がかかります。話し合いで解決を図ったほうが、金銭的、精神的、時間的な面でも一番よいと考えております。弊事務所は、できるだけ示談で解決する方向でお手伝いさせていただいております。


判例をみますと、示談金として、50~300万円くらいの幅があります。これらは、不倫関係の期間の長さや、不倫で婚姻関係を悪化させられた方の婚姻関係の長さ、不倫当事者のどちらがより不倫関係をおいて主導的な立場にあったか等を客観的に判断し、裁判官が自由な心証にもとづき判決を下されたものです。
 

ところで、内容証明郵便で相手に慰謝料を請求すると、反応は概ね以下のようになります。


1、内容証明を最初から受け取らない方、2、内容証明を受け取っても無視する方、3、反論されてくる方、4、減額要求される方、5、素直に慰謝料の支払いをされる方、に分けられます。


上記1及び2の場合は、調停や訴訟等の法的手続をするか、諦めるかのいずれかになります。しかし、このような事例は、案外多くはありません。


3の場合、反論の内容が不倫を否定するものであれば、前記1、2と同様の判断になります。他方、事実は認めても、こちらの婚姻関係が破綻していた、既婚者と知らなかったとの反論の場合は、相手の主張が相手の過失によるような場合は、すなわち婚姻関係が破綻していた、既婚者と知らなかったことが社会人の常識から考えて相手の過失である場合は、その点を主張することになろうかと思います。その後、話し合いで示談となる可能性もあります。


4の場合は、譲歩するところは譲歩して相手と慰謝料額をまとめ、示談書をまとめることがよろしいかと思います。当事者同士で話し合いでまとめれば、多少慰謝料を減額しても、裁判の為に要する費用が掛からないことを勘案すれば、納得できるものと思います。


5の場合は、当事者で示談書を作成し、公正証書にする必要がある場合は公正証書にします。
 
ところで、相手の方が弁護士を立てることはよくあります。弁護士が相手の代理人となった場合、対応は2つに分かれます。


1つは、弁護士から反論の内容証明が届くような場合です。「不倫関係を持ったことはない」、「既婚者とは知らなかった」、「既に婚姻関係は破綻していた」と主張してきます。そうすると裁判を起こすかあきらめるかいずれかの選択しかなくなるわけです。


2つめは、示談の申し出をしてくる場合です。この場合、弁護士から弊事務所に打診がある場合もありますし、直接、弁護士からお客様に示談の申し入れがあることもあります。いずれにしろ、弁護士がと話し合いをして慰謝料額を決めます。弁護士が良い方向で話をまとめてくれることが多いいです。そして、弁護士が示談書を作る場合が一般的です。できれば、示談に持っていくような弁護士に対応していただきたいと思うこともあります。そのほうが、当事者のためでもありますから。もちろん、本当に不貞行為をしていない場合は話が別ですが。


いずれにしろ、裁判になった場合、弁護士費用等の裁判費用が掛かります。そのことも考えれば、多少、慰謝料額が要求する額に満たなくても、裁判をせずにまとめる方向で考えることがよろしいのかと思います。


但し、最終的に判断されるのは、ご本人になります。ご自分の受けた苦痛の大きさに相応の要求をするのは当然の権利であると思います。早く問題が解決されるよう祈っております。