離婚協議書について ー 細川行政書士事務所

 協議離婚をする際の夫婦間での話し合いで、親権、子どもとの面会交流、養育費、財産分与、慰謝料などについて結論が出たら、後から「言った、言わない」の争いを防ぐために、きちんと離婚協議書として書面を取り交わしておく必要があります。

 

 離婚を急ぐあまり、協議をする前に離婚届を提出してしまう事例も見受けられますが、離婚してしまった後では、金銭を支払う側が協議に誠実に応じなくなるということも多々あります。何も決めないまま、離婚届を提出してしまうことは、できれば避けたほうがよろしいと思ます。

 

 弊事務所で承った事例でも、離婚届を役所に提出した後に、元奥様が元旦那様への離婚公正証書の作成要求をしましたが、旦那様が不誠実な対応をされ、結局、調停手続きをとることになったこともありました。お子様も幼少でしたので、調停の日の裁判所への出席も大変だったようです。

 

 また、お子様が20歳を過ぎてから、これまでにかかった養育費を遡って請求したいとのご相談がございますが、離婚協議書などで養育費について夫婦間の合意がない場合、元妻が遡って養育費を請求することは困難であるようです。というのも、養育費の請求権は、離婚により自然に発生するものではなく、ご夫婦が取り決めなければ発生しないものと考えられているからです。従って、養育費は、口約束だけではなく、離婚協議書等の文章にして取り決める必要があります。

 

 財産分与は期限なく相手に請求できるものではなく、離婚から2年間以内に決めなければならないとの制限があります。

 

 年金分割においても、奥様が専業主婦か否か、結婚された時期等の一定の条件に合致するか否か等により、ご夫婦間の合意を要する場合と奥様だけで手続きをすることが可能な場合とがありますが、いずれにしろ、年金分割請求権には、離婚から2年以内に日本年金機構で行わなければならないとする期限が設けられています。

 

 さらに、慰謝料請求に関しては、3年以内との期限もあります。早めに決めることがよろしいと思います。

 

 ところで、養育費や慰謝料等の費用について、もらう側としては、相手方から払ってもらわないと意味がありません。より確実に受け取れるようにするためには、離婚協議書を強制執行認諾文言付き公正証書にしておくことをお勧めいたします。万が一の場合、相手の給料を差し押さえることもできます。

 

 かりに、お子様もおらず、財産分与や慰謝料もお互いに要求しないと約束した場合でも、後日相手の気が変わり要求される可能性もあるため、その約束を明確に書面として残しておくために離婚協議書を作成される場合もあります。また、離婚後は一切の関係を持ちたくないので、離婚後はお互いの生活に一切かかわらないとの約束をとりかわすために作成される方もおります。これらのように、離婚に際して金銭が絡まないような場合には、公正証書にすることはせずに、当事者間での約束を離婚協議書として書面を作成し、お互いに1部ずつ所持することでもよろしいと思います。