離婚する前に決めておくべきこと

 離婚届を役所に提出する前に、ご夫婦で離婚に関する話し合いをして決めなければならない、または、決めたほうがよいこととして次のようなことがあります。

 

 まず、未成年のお子様がいる場合に、ご夫婦のどちらがお子様の「親権者」になるかということです。親権者を決めければ離婚をすることはできません。未成年のお子様がいる場合、離婚届に親権者を記載するが必須条件となっているからです。これに関連して、実際に育てない他方の親とお子様との面会の方法等を決めることになろうかと思います。これが「面会交流」といわれるものです。

 

 次に、養育費、や財産分与について決めることになります。「養育費」とは、未成熟の子供の生活費で、子供を引き取らなかった方の親(例えば夫)が、子を実際に育てている親(妻)に支払うのが一般的です。一方、「財産分与」とは、結婚中に夫婦が協力して築いた財産(夫婦共有財産)を精算することであり、専業主婦の場合も内助の功があり、その貢献度は2分の1と考えられています。

 

 そのほかにも、「慰謝料」「年金分割」等を決めなくてはいけない場合もあります。また、結婚の際に、夫の姓(苗字)を夫婦の姓に選んだ場合、妻は、離婚する場合に旧姓に戻るか、夫の姓のまま暮らすか決めなければなりません。このことは、離婚届に必ず記載しなければならない事項となっております。但し、夫の姓を使うとしても、夫の許可は不要です。

 

 尚、平成24年4月1日から民法の一部改正部分が施行されました。これは、昨今の児童虐待の件数の増加を鑑み、子どもの人権・権利を守ることができるようにとの理由からです。それにより、離婚の際に決めることとして、親子の面会交流、養育費の分担が明記されました。いままでは、法律上明文はなく、実務上の問題として、決めることが多かったですが、これからは、これらの事項について取り決めをしなければならない扱いになりました。

 

法務省のパンフレットはこちらです。 こちらから  
   
 離婚にあたり、上記以外の事項についても、双方の合意があれば、法律や公序良俗に反しない限り、決めることができます。たとえば、「お互いに連絡先に変化があった場合は相手に連絡しなければならない」等と決めることもできます。

 

 離婚の話し合いで結論がでた場合、後から「言った、言わない」の争いを防ぐためには、きちんと離婚協議書という書面で取り交わしておく必要があります。
 
 離婚を急ぐあまり、離婚協議をする前に離婚届を提出してしまうケースも見受けられますが、離婚してしまった後では、金銭を支払う側が協議に誠実に応じなくなるという例も多々あります。弊事務所にご依頼された方の元旦那様がなかなか協力して頂けず、離婚協議書がまとまるまでに6か月以上かかった事例もございました。何も決めないまま、離婚届だけ役所に提出してしまうことは避けたほうがよろしいと思います。もっとも、婚姻期間が短くお子様もいない場合は、離婚届だけ役所に提出すればよろしいのかもしれません。

 

 また、養育費等の金銭については、もらう側は相手方から払ってもらわないと意味がありませんので、より確実に受け取れるようにするためには、離婚協議書を強制執行受諾文言付き公正証書にしておくことをお勧めします。