離婚相談における行政書士の役割

 最近のインターネットの普及は目覚ましいものがあり、世の中の全ての事柄に関してインターネットが利用されるようです。離婚に関しても、情報源としてインターネットが大いに利用されているようです。

 

 さて、インターネットで離婚に関することを検索すると、大概は弁護士もしくは行政書士のホームページに行き当たります。その内容を読んでみると、両者とも何となく似たような仕事をしているようで、違いが判らず、どちらに相談したらよいか迷ってしまうこともあるかもしれません。

 

 そこで、以下に、離婚の相談先としての、弁護士と行政書士との違いをご説明いたします。どこへ離婚の相談をすればいいのか迷われたときの参考にしていただければと思います。

 

弁護士や行政書士になる要件

  まず、基本的な違いとして、弁護士は一部の例外を除き「司法試験」に合格しており、その業務内容は法律事務の全般とされていることです。弁護士は、行政書士、司法書士、税理士、社労士等の他の士業の行う業務も含めて、法律に関する業務をすべて行う資格があります。したがって、法律に関することは弁護士に依頼すれば、問題は全て解決することになります。弁護士はオールマイティーな存在であるわけです。


 一方、行政書士は、行政書士試験に合格している者、一定の期間公務員であった者及び税理士資格や弁理士資格を有している者が行政書士会に登録をすることにより資格を取得できることになります。私は、行政書士試験に受かって登録して行政書士になりましたが、行政書士試験を受けることなく公務員からそのまま行政書士になられた方、税理士有資格者の方で行政書士会に登録してなられた方もおられます。

 

行政書士の業務

 では、行政書士の業務はなんでしょうか。前述のとおり弁護士はオールマイティーな存在ですので、弁護士に頼めばなんでも解決できるわけです。ですので、離婚の相談先として、行政書士なんか不要ではないのかとの疑問もわいてきます。まさに、その通りです。しかし、そのまま納得してしまうと、私の行政書士を生業としている立場がもろくも崩れてしまいますので、行政書士の離婚に関する業務の根拠や必要性について述べさせて頂きます。


 ところで、私が生業としている行政書士の業務の内容としては、行政書士の代名詞ともいえる建設業許可申請等の認可申請代理業務があります。これまで、行政書士は許認可の専門家とされていた時期もございました。もちろん現在でも、建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業許可申請や古物商許可申請等の許認可代理申請は重要な位置を占めている業務です。弊事務所でもこれらの業務も承ってきました。


 しかし、そもそも、行政書士の業務として謳われているものが、行政書士法で「官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成」、「契約その他に関する書類を代理人として作成すること」と規定されている業務です。


 まさに、この部分が、離婚の相談先としての行政書士の根拠となるわけです。すなわち、「権利義務又は事実証明に関する書類の作成」、「契約その他に関する書類を代理人として作成すること」は、離婚の際の重大な書類である離婚協議書(権利義務に関する書類)を作成する業務にあたります。すなわち、行政書士には離婚協議書を作成する権限が法律により認められており、このことが、行政書士が離婚業務にかかわることのできる根拠となるわけです。

 

離婚問題における行政書士業務

 ところで、離婚形態には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。この中で、離婚全体の割合の9割以上を占めているのが協議離婚です。協議離婚とは、二人の話し合いで離婚を決め、離婚届を市役所に提出すれば離婚が成立してしまう重大な法律行為です。そして、協議離婚に直面したご夫婦が、お二人で約束したことを書面にまとめたものが一般的に離婚協議書と言われている書面です。先にも述べましたが、この離婚協議書を作成することが行政書士業務の1つであり、また、弁護士の業務と重なる部分です。


 では次に、行政書士の必要性はどこにあるのかとの話になります。前述の通り、弁護士はオールマイティーの存在ですので、行政書士の権限である離婚協議書の作成も弁護士に頼めば解決するのではないかとの問題です。


 この点に関して、確かに、離婚に関する問題は、第一には法律にかかわる問題です。この点は、弁護士の優位性高いかもしれません。しかし、離婚の仕事はデリケートなものであり、法律知識はもちろんのこと、お客様との相性・敷居の低さというものも大きなポイントになるものと考えております。また、費用の面もポイントになるのではないでしょうか。すなわち離婚に直面している苦しい状況の中で、気楽に手ごろな費用で相談できる存在として行政書士の存在に意義があり、そこに行政書士の必要性が有るものと考えております。


 もちろん、全ての行政書士が離婚業務を扱っているわけではありません。しかし、専門分野の1つとして扱っている行政書士も多いです。気楽に相談できる行政書士さんを探して、一緒に解決に向かって歩んで頂ければと思います。

 

行政書士のできない事

 前述のとおり、離婚における行政書士の業務は、離婚協議書作成及びそれに付随する公正証書作成のサポートになります。離婚調停や、離婚訴訟は弁護士の独占業務になっており、行政書士は行うことが出来ません。

 しかし、行政書士業務でないからと言ってお断りすること無責任になりますので、かりに、ご夫婦間で話し合いがまとまらず、はからずも裁判になるような場合は、弊事務所では弁護士を紹介させて頂いております。
 

以上、参考にして頂ければ幸甚です。

皆様の将来がより良いものとなりますよう祈念申しあげております。